−朝鮮民主主義人民共和国− (03.11.19-03.11.26)

 転職して3年。初めてまとまった休みを取った。行きたいところはいくつかあったが、結局朝鮮民主主義人民共和国(ちなみに、「北朝鮮」の呼称はタブーです。「朝鮮民主主義人民共和国」もしくは「朝鮮」です。なお、向こうの人は韓国のことを、「大韓民国」ではなく「南朝鮮」と呼んでいます。是非はともかく、センシティブな部分であることは認識しておく必要があるんじゃないでしょうか。)にした。一番の理由は本物の「社会主義」国家に行くこと。学生時代にトルクメニスタンに着いて、初めて街に踏み込んだときに目に飛び込んでみたもの、それを目にした時に感じた高揚感は未だに忘れることができない。まさに未知との遭遇であり、頭を思いっきりぶん殴られたかのような衝撃だった。しかし、もしかしたら、それは旧ソ連崩壊後の「社会主義の残照」に過ぎなかったのかもしれない…。そういった、思いは心のどこかにあった。ロシアにも行ってみたかったが、主体思想をかかげ国際社会に背を向けて突っ走る朝鮮。その雰囲気を肌で感じてみたかった。

 我々の目にする姿は、滑稽な独裁社会、飢餓にあえぐ人々。そしてそれをあおり、粗探しを続ける日本のマスコミの姿。報道していることは事実であったとしても、その伝え方は明らかにバイアスがかかっている。日本は「拉致ヒステリー」と嘲笑され、挙句の果てにはポピュリスト達による選挙の道具と化してしまった。今回の選挙で、拉致問題の解決を唱えた候補者は何人いただろうか。しかし、選挙後も同じトーンで訴え続けている人をあまり目にしない。何が真実なのか、真実でないのか。おそらく、それは行ってみた者にしか分からないであろう。ただ、外出時は常にガイド付きで、彼らの本来の役目は旅行者の監視役…等々、朝鮮ツアーの話は色々と耳に入ってきている。もちろん、旅行者が見ることのできる部分は、かの国のほんの一部分かもしれない。そして、それは「作られた」にせものの世界かもしれない。でも、ほんの一部分でも自分の目で見、肌で感じることが必要だと思う。例え、にせものの作られた世界であっても、そこに人が住み、生活している限りにおいては、それもまた真実ではないだろうか。自分と非なるものを、拒絶するのは簡単だが、受け入れてそれを自分の糧にし、より幅広い立場で物事を捉え、分別のわきまえた考えのできる人間になりたい…。と、偉そうなことを、言ってはみましたが、行く前は正直ちょっとドキドキでした。そんな小心者の見てきたものですが、まずはご覧ください。

11.19 成田−北京
11.20 北京−平壌への国際列車
11.21 平壌への国際列車−平壌
11.22 平壌−妙香山
11.23 妙香山−平壌
11.24 平壌−開城(板門店)−平壌
11.25 平壌−北京
11.26 北京−成田
 
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